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穴窯の完成と窯焚き

穴窯の補修作業はその後も続き、金属の網が窯の天井一面に何層にも張りめぐらされました後に更に2トンもの土が載せられました。最初からの分を含めますと4トン以上もの土が窯の天井に盛られたことになります。以前にも増して頑丈な窯の完成後、待ちきれないご様子で直ぐに藤田先生は窯焚きを始められました。
長さ7メートル、壁面の厚みが65cmもある頑丈な窯となり安心感がありましたが、赤松の丸太(直径約25cm/長さ60cm)を使用しての窯焚きが始まりますと窯内からはゴーッゴーッと轟音が鳴り響き凄まじい圧で窯は膨れ上がり、その隙間からは煙と炎が勢いよく吹き出しておりました。数分、近くにいただけでも分厚い壁面からは予想外の熱が伝わってきて息苦しさをおぼえました。
そのような状況の中、お独りでの17日間もの不眠不休の命がけの窯焚き。薪は6トン使用していたのだとか。皆様にご心配いただいておりましたが藤田先生は無事に窯焚きを終えられておりますので先ずはご安心ください。
保温力が素晴らしくなかなか冷めない窯のフタを藤田先生が開けますと、中にはまだ熱風が立ち込めていたそうです。私が今までに見たことの無い光景を実際に見たのは次の日でした。分厚い耐火煉瓦を突き破り厚さが50cm近くもあるコンクリートの土台の真ん中には幅が10cmほどの大きな裂け目が窯の奥に1mほど続いておりました。サヤに入れられ前方に置かれていたという水指の口は円から楕円に形を変え、サヤと志野茶碗とハマコロと志野ぐい呑が一体化したオブジェのようなものが数点散乱し、窯焚きの凄まじさを物語っておりました。特に初めての窯での窯焚きはリスクが大きいので普通は様子を見ながら控え目に焚くものでは?と思ってしまいますが、最初から17日間も焚かれる藤田先生の体力や精神性はさすがに凄いと思いました。以前から藤田先生がお話してくださっております「長年、志野を焼いてきたけれど窯焚きのほとんどが失敗だった。」や、「あえて今まで経験したことの無い未知の方へ賭けて窯焚きをする。」という言葉の意味が少し分かった気がいたしております。
火の力って本当に凄い、怖いと思っている私たちを尻目に役目を無事に終えた煤だらけ傷だらけの窯を見上げながら、「大きい窯は面白い! 楽しい!」と藤田先生はおっしゃり、次の窯焚きの準備が勧められております。

 

| 陶 芸 | 11:09 | comments(0) | - |